【二月の勝者】1巻

■高瀬志帆先生が描く、スポ根的、中学受験マンガ
以前から話題になっているのを見て、気になっていましたが、中学受験ですからね。感情移入も難しいなと思っていたのですが、気付いたら娘も4年生。私が日能研に入って中学受験を目指し始めた年齢と同じ歳になっていました。
かつての大学受験マンガ「ドラゴン桜」は面白かったですけど、今更、学歴がどうのって時代でもないんじゃないかと思っていますが、やっぱり、気にはなります。
ってことで、敵情視察を兼ねて、読んで見たので名言と併せてレビューしていきます。

■君たちが合格できたのは、父親の「経済力」そして、「母親の狂気」
見開きのページに上記のセリフから始まりましたので、嫌でも期待は高まりますが、要は、御三家合格の実績を出せなかった町の進学塾を、大手塾から引き抜いた若い教師を校長に据えてテコ入れされるお話です。
着任早々、子供たちに「全員合格」を宣言するなど常識外れの校長と、理想に燃えた新任教師がいがみ合いながらも、子供たちの目指すゴールへ導けるのか!?
と言うありきたりな展開ではありますが、
6年生の生徒が一年間に塾に落とす金額は150万円。雪をかぶることくらいなんでもない。
生徒は「顧客」であり、「金脈」。
親は「スポンサー」、父親は「ATM」、成績の悪いクラスは「お客さん」
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等の、生々しい表現はもちろん、
しっかりとした数字を使った説明や、トリッキーでいて理に適っている戦術など、読んでいてワクワク、ハラハラします。
■凡人こそ、中学受験をすべき。
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中学受験に反対で、「勉強は凡人クラスなので、サッカーの方がまだ可能性がある」と言い張る父親に、プロサッカー選手になれる確率と、難関校に入れる確率の違いを説明するシーンが圧巻です。
毎年、6万人近くのプロサッカー選手の中でJ1からJ3まで合わせても120人しか慣れず、確率で言うと0.21%であり、最難関の東京御三家の募集定員1340人。御三家に受かる可能性は2.58%。超難関から、難関校まで範囲を広げれば10%弱まで上がる。と言う理論。
これは「NO.1理論」の西田 文郎先生も言ってますが、スポーツで成功するよりビジネスで成功する方が遥かに簡単。って理屈と同じだと思います。
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「NO.1理論」著:西田 文郎
西田理論が出てきたことで、私は騙されかけましたが、「単なるデータと、個々の子供の将来が同じ話な訳ないだろ」って父ちゃんも食いつきます。しかし、新校長も攻撃の手をやめず、父親をねじ伏せます。実にお見事でした。
しかし、才能がモノをいう分野はさらに厳しく、勉強の方が努力のリターンが得やすい。というのは間違い無いですからね。何も、目指すものがなければまずは勉強を思いっきりやる。と言いう選択肢はありなのかもしれません。
なんか、たった1巻で、娘の中学受験を検討しても良いかも?という気分にさせられてしまいました。
後半、「他に好きなことがある子ほど、受験を辞めなくていいんですよ」というセリフも出てきますが、学校選びで、部活の内容などもとても大切なんですね。言われてみればそんな気がしました。
今後、いろんなケースにおいて、「それなら中学受験」っていうパターンになるのでしょうか?それはそれで、面白いですけど…。
最後、「全員合格させて見せる」って言っているので、どんどん熱くなっていくのでしょう。
是非、本編で確認して見てください。

シェアしてください。心から。。。

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