【雪女と蟹を食う】3巻

地雷臭を感じつつも、その佇まいに雪枝彩女と言うセレブ妻にどっぷりとハマってしまう私です。3巻拝読しました。
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Gino0808 雪女と蟹を食う3巻
■あらすじ
彩女が熱だしてぶっ倒れても行きたかった山形の銀山温泉からのお話。
北くんの痴漢の冤罪事件の後、彼女が去って行く様子が描かれる。誰かの心の内側を考える想像力があったかどうか、人の価値について、そもそも、人に興味があったかどうか?と言う葛藤から始まるんだけど、こんな棚ぼた、甘ちゃん野郎、どうだっていいんです。もう、ただただ、ヤリまくってます。節操なく、ヤリまくり。文字通り、享楽に耽ってます。
・彩女さんはなぜ、結婚指輪ではなく、婚約指輪をしているのか?
・なぜ、薬指ではなく、人差し指にしているのか?
・激痩せ!?!?!
等々、分かりやすい伏線も張ってきますが、どさくさに紛れて、彩女さん、「ここは誰もいない、法律も倫理も届かない場所。だから今はあなたのもの」なんて言いながら、
「付けなくてもいいですよ」と、
ゴムなしロマンチックを迫ってきます。
これで、流石に甘ちゃん北くんも気づくわけです。
「死ぬつもりでついてきたの?」と。
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■自暴自棄な彩女に北ができること
ここで、忘れていた、非常に個人的な事を思い出した。
私の淡い16歳の初体験の思い出。
高校入学してすぐの頃、16歳になった誕生月にファミレスでのバイトを始めた。
私は中高一貫の男子校で育ったもんだから、全く女性には免疫のない状態。全然イケてない、色白ニキビ面の真ん中わけ野郎だ。モテるはずがない。しかし、私は、絶世の美女とお付き合いを始めることになったのだ。
1つ上のギャルではあったが、ワカメちゃんばりのミニスカートに、ルーズソックスをバッチリ着こなし、小麦色に焼けた肌と無駄の削ぎ落とされた引き締まった肉体はアートとも思えた。
一緒に歩けば、すれ違う人達が振り返るような美女。
私は舞い上がった。ヤリまくったし、彼女の気を引こうとバイト代も使いまくった。
しかし、まぁ、ここまで書いたらお気づきだろう。彼女は彼女で、彼氏に浮気をされ、自暴自棄になっていたのだ。(彼氏だけでなく、シングルマザーのネグレクト気味な家庭環境等もあったが…)
私からは自然にフェードアウトされたが、バイト先でも、学校でも、誰とでも交流を持っていたようだし、パパ的な匂いもした。万引きなんて可愛いものではなく、ブランドもののバッグ等も盗っていた。買う、貰う、盗る、どうやって手に入れたかは、もはや聞けなくなったが、増えて行くバッグを見て、彼女の心に開いた隙間の埋められなさに悩み、苦しんだ。
長くなってしまったが…。
■結局ね、何もできないんですよ。
結局ね、何もできないんですよ。
当時も悩んだし、苦しんだし、その後の20年、似たような場面にも何度か出くわし、何か少しでもできないかと、色々と模索するけど、結局、何もできない。
心に開いた穴なんて、他人が何をやっても、埋められない。
彼女が、自分で満たせないと、周りは黙って見守ることくらいしかできないんですよ。
なので、もう、無理です。
北と彩女のハッピーエンドはない。
なんか、20年以上前の事を思い出して、急に冷めてしまった。
けど、私の想いとは関係なく、二人はいよいよ北海道へ。
やっぱり、もう少し行末見守ります。
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