前回の記事では、命を救ったマリアのおもてなしを受けるところから、マリアとお別れをするところまでを、マリアの名言を中心に書きました。
今回は、マリアとお別れし、彩女と再会し、タンクトップ姿の彩女とラーメンを食べ、ラブホに行ったところからスタートです。彩女の名言と共に振り返りたいと思います。
[Gino0808] 雪女と蟹を食う6巻
■もしかして、アレを読んだの?
マリアと別れ、彩女と合流するも、ロマンチック(セッロス)にぎこちなさを感じた北に、「彩女さんはなぜ怒らないの?」と問われ、彩女は北が本を読んだことに気づきます。
ここで物語の内容も明らかにされます。
『雪女と蟹を食う』は美しい妻を持つサラリーマンのお話。
愛人を作るも、愛人がポケットに忍ばせたピアスで妻に見つかってしまう。
しかし、妻は怒らない。いつもの様に笑い、いつもの様に家事をする妻の姿を見て、妻を恐れ、ますます愛人にのめり込む様になる。
結婚記念日に北海道へ蟹を食べに旅行へくが、妻と二人きりで罪悪感と疑心暗鬼とエゴに苦しみ果て、旅の最終日、蟹を食べる直前に妻を殺してしまう。
作中、妻の目的や行動の謎には触れられないまま物語は幕を閉じたみたいです。
あれは実話?という北の問いに、「実話だったら、私は今ここにいない」って言ってますが、私には彩女が実話にしようとしているんではないか?と考えてしまいます。
あと、北の本の感想が芳しくなかった時の、彩女の悔しそうな顔がちょっと怖いんですよね。
「『雪女と蟹を食う』の再現こそが、作品の完成」だと、思い込んでいるのではないかと思えます。
■私はどこで間違えたのかしら
■感情に任せて怒る女の方が可愛げがある
2枚続けて、ドンっ。
北の評価は、彩女さんという「雪女の正体」として、「強盗に襲われたくらいでは悲しみの感情も湧かなくなるくらい理不尽に虐げられた女性の末路」として言っている。
もちろん、そう言った部分はあるんだろうけど、「理不尽に虐げられた」というのが、本当にそこまで言うほどなのか?って引っかかるんです。
彩女さん、なんだかんだで主体性は持ってますからね。なんでも旦那の言いなりに、言われたままに生きているイメージはしづらいんです。
前にちょっと言いましたが、「強盗に襲われた」って言うのも、私は彩女さんが仕掛けたんではないかという風にまだ疑っているので、それが前提にはなってしまいますが、だいぶ芯が強く、小賢しい部分もしっかりとある女性なのではないかと。
ただ、悪夢を見るくらいなので、旦那の気持ちが離れている事は、嫌な事ではあるのは事実なのでしょう。何かを理由に夫婦関係が拗れていった時に、「こうなったら、雪女を目指すしかない」と、信じ込むしかなくなってしまったというか、自分で退路を塞いで、どんどん盲目的になっていく様な?
だとすると、「私はどこで間違えたのかしら?」というのは、
・気持ち・感情を押さえ込んだから間違えたことを指すのか、それとも、
・主体的で、強かったからこそ、間違えたことを言っているのか?
彩女の過去が気になります。
ちなみに、男から見て、感情に任せて起こる女の方が可愛げがあるのは、間違い無いです。
ただ、若い時だけじゃないですかね?
三十路超えたなら、ある程度の大人のリアクションが正解だと思います。歳とった女がギャーギャー言ったって、うるさいだけですからね。
あっ、世間一般論としてですよ…。私はそんな風には思わないですけど…。
■(やり残したことは)ありませんよ。
いよいよ旅の終着地、「稚内に着いてしまう!」って事で、焦った北くんの命乞い。
「何か、やり残したことはありませんか?」に対しての彩女の清々しいほどのはっきりと、キッパリとした返答。
「早く死にましょう♪」に読めて、背筋が凍りつきました。ざまみろ。
ただ、この後、北も必死でもがき、雪の美術館に行き、流れでウェディングドレスを着せてあげれたりします。彩女さんも嬉しそうだったから、珍しくグッジョブ。
■雪の美術館が閉館!?
ストーリーからはずれますが、この、旭川の雪の美術館、もちろん実在するみたいですが、なんと、2020年6月末を持って、閉館してしまったみたいですね。コロナの影響もあるみたいです。
いろんな団体が取得に乗り出したりしているみたいですが、結局、白紙になってしまったと。
本書を読んで、北海道行きたいと思いはじめたのに、非常に残念な情報です。凄いお金も掛かっていそうな施設なので(維持費も半端なさそうですが…)このまま潰される事はない気がしますが、なんとか復活して欲しいです。
あと、言い忘れてましたが、6巻のベストシーンはタンクトップでラーメン食べてる彩女さんです。
では、また次巻で。
■雪女と蟹を食う6巻 試し読みはこちら
【雪女と蟹を食う】6巻 ②
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