【雪女と蟹を食う】7巻 ①

そう、5巻の冒頭部分で、「最終回はまだまだ」的な事を書きましたが、ヤンマガでの連載は終わってしまったみたいですね。とりあえず、単行本は通常通り紙と電子で発売される様なので安心です。
ただ、8巻で完結っぽいですね。Gino0808先生、めちゃくちゃ泣かせに行くような宣言をしているので、ハッピーエンドなのかな??楽しみにしてましょう。
7巻。ちょっと処理ができないくらい、だいぶ濃かったので、半分づつにさせて貰います。。。
雪女と蟹を食う_7.jpg
[Gino0808] 雪女と蟹を食う7巻
■あらすじというか…。
旭川を出て、車内泊をしては蟹を語り、稚内に着いては、鳥で悟り。途中、彩女のJK時代に遡ってから、決死の思いで告白をするも、見事に撃ち返されるところまで。名言と共に振り返りたいと思います。
まずはジャブから…。
■蟹はかわいそう。
雪女と蟹を食う_6_彩女名言8.jpeg
そう。旭川でウェディングドレスを来て、幸せな気持ちのまま、満点の星空の元、車中泊です。快適でこそないものの、ロマンチックな環境です。星空を見ながら蟹座を探しては、星座の話をします。
蟹のカルキノスはヒドラ(蛇)を退治しにきたヘラクレスの足に命がけで喰いついて、何もできずにペシャンコに潰されてしまいました。それを哀れに思った女神はカルキノス(蟹)とヒドラ(蛇)を星座にして、空へと上げた。
なんですか、この挿入話。
この話、いります?
猿蟹合戦で柿ぶつけられて死んじゃう話とか、本当にいります?
聞いてて、イライラしますね。
 北:蟹ってかわいそうだな。
 彩女:えぇ。蟹ってかわいそう。
    私たちに食べられちゃうんですもの。
 私:・・・。 は???
あなたたち、人生の締め括りを蟹にするんですよね?北に至っては、30年近くも生きて、蟹、食った事ないんですよね?憧れて止まないんですよね?
私が蟹座だからですかね?モブだからですかねぇ?イライラが止まらないですね。北、嫌いすぎますね。
決めました。私、一生、蟹食べません。(甲殻アレルギーでした…)
■鳥は飛ばなければならぬ
 人は生きなければならぬ

雪女と蟹を食う_6_彩女名言10.jpeg
稚内について北の目に留まる言葉です。
鳥は本能的に暗黒を突破すれば光明の島に着くことを知っている。
そのように人も一寸先は闇ではなく光であることを知らねばならぬ。

深いです。強いです。弱い北には、一撃です。色々、考えてます。愚かな頭脳、弱い精神、それでも収まることのない性欲と起き上がるティンコ。うらやましいですけどね。
ただ、彩女みたいに死を終わりと考えていない、死ぬことが「作品の完成」みたいな、前向きな理由に捉えてしまっている人に届く言葉ではない様に思えます。
ここから、どう立ち振る舞えば彩女に届くのか。北の見方をするつもりはさらさらないですが、こっちまで焦ってきます。
■いつも好きにしてるじゃない
雪女と蟹を食う_6_彩女名言7.jpeg
お馴染み、ベットシーンでの「今日は好きにしていい?」の問いかけに対しての彩女の返答がこちらでした。
クールにおしとやかぶっちゃって。自分、彩女さんのそういうとこ、好きっす。本当、ご馳走様です。
ただ、これ、伝わりにく過ぎますけど、「一寸先は闇ではなく光である」というメッセージを受けての北の渾身の一撃、「そうじゃなくて、中に出したい」っていう意味なんです。愛情表現や、将来的な話のつもりなのでしょう。
少しでも何か、楔を打ち込もうとする北に対し、確実に人生を終わらそうとする彩女の対極な位置関係が刹那いです。
そして、ここから、JK時代の彩女の話に入ります。
■「雪女」とは程遠い、彩女の本性とは
私、わかってしまいました。
今まで、冷やかし半分で、ミステリーだ、サスペンスだ、全部、彩女が全部仕組んでいた陰謀だとか、言ってましたけど、今回はマジです。
ヒントは学生時代にありました。先生に当てられた彩女は珍しく、饒舌に口を開いているシーン。先生へのアピールもあるんでしょうが、クールに見える彩女の本質の部分なんです。
雪女と蟹を食う_6_名言2.jpeg
先生に指され、先生が求めていた回答以上の答えを彩女は答えますが、その内容というのが、
恋人達の終焉を「オダマキ」という植物が枯れた事と重ねて表現している。と見せかけ、実は「オダマキ」は毎年その根から蘇り、何度も花を咲かせる種であり、これは「恋の恋の終わりではなく、「無限に咲き誇る『恋の煉獄』の渦中にいる』と力説したのです。
そう、これこそが、彩女の芯の部分であり、目的なのではないかと。
「彩女」という、今生を終わらし、先生(旦那)とは死別という形をとるが、またすぐに生まれ、再び先生と一緒になり、咲き乱れ…。いや、咲き誇るつもりなの。
だとしたら、北に勝ち目はない。
いくら口で「好き」と言われようが、何発、口に出そうが、生でしてって言われようが?中に出すのを許されようが?
「今日は好きにしていいですか?」って聞いて、「いつも、好きにしてるじゃない」って言われようが??
彩女の心には先生しかいない。
だって、彩女は煉獄の渦中なんだもん。
それだけじゃない。
■先生の小説を読んで、
 いけないことをしてしまいましたわ

雪女と蟹を食う_6_彩女名言1.jpeg
これ、高校生が言えます?
大学生でも、並のOLですら、シラフじゃ言えないよ。こんな思わせぶりなの、AVの世界じゃなければ、キャバ嬢くらいじゃないですか?
彩女さん、渦中だからしょうがないけど、ちょっと煉獄がすぎるね〜。
つーか、私の中の煉獄さんが「うむ、旨い!(鬼滅の刃 無限列車編 参照)」ってうるさい。
まだまだ、あります。
■先生の描く文字になりたいんです
雪女と蟹を食う_6_彩女名言2.jpeg
先生の描く文字になりたいんです
私はヒロインになりたい。どこまでもついてゆきます。

そして、これはちょっと意味深。
前述の「いけないことをしてしまいました」発言もありますから、文学的でエロいとか、お淑やかで献身的で、盲目的で、たおやかで、刹那で、儚くて、、、色々、想像を掻き立てられ「淫靡なJKだな〜」なんて思ってたんですが、ハッとしました。
上にも書きましたけど、彩女は先生(旦那)との永遠の愛?輪廻転生しても一緒になることを信じていると思われます。恋の煉獄の渦中にいます。
だとすると、先生が書いた「雪女と蟹を食う」という物語やヒロインは彩女にとって、自分の人生を先生の書く作品と迎合するにはもってこいの道標になるんじゃないかと。
「どこまでもついてゆきます」がどこまでなのか…。
6巻で、本の感想を北に聞いたときの悔しそうな顔も思い出されます。
「ヒロインになりたい」って言ったら、「彼女や奥さんになりたい」か、せいぜい、「私の姿を書いて欲しい」だと思ってたけど、どこまでを目指しているのか?
あまりに盲目的過ぎるというか、刹那的過ぎて、ちょっと洗脳されてることを疑うレベルです。
なので、彩女さん、なかなかの筋金入りですよ。JKにして、すでに完成されてますからね。クールでいて、燃えてますからね。もはや何色の剣を持ってるかわからないです。(鬼滅の刃 参照)
北がいくらぶつかってもダメなんです。
■そして、一緒に死んで。助けなんかいらないの。
雪女と蟹を食う_6_名言.jpeg
「だから、明日、一緒に蟹を食べて」という枕詞もつきます。
「そして、一緒に死んで。助けなんかいらないの。」
本当、Gino0808先生、セリフまわしが巧みですよね。素晴らしいです。上の句、下の句みたいな、俳句カルタを作りたいです。
そう、北はやっぱり、生きたい訳ですよ。
これまでずっと言ってきた、甘ちゃん野郎ってのはもちろんですが、それ以外にも、彩女とのこれまでや、マリアとの出会いで、人を助けられた事による達成感や喜びなんかも色々思い出したんです。
「何にもしてなくても、一緒に横にいるだけで、幸せな事だってある」って気づいたんです。
そんな時に、「生きてさえいれば、例え、今は暗闇だとしても、いつかは突破できるよ」というメッセージと出会ってしまっては、もう、生きる理由しか見つからない。
死のうと思っていた自分が、「いかに愚かだったか」という事に気づく訳です。そして、「彩女を救いたい」って想いが強くなり、決心する。
決心し、彩女にぶちあたろうとするんだけど、それを遥かに超えるド直球で、「蟹を食べよう。そして、死のう。」って言われるんです。
一生懸命、金魚に例えて、「身体にはいくらでも触らせてくれるのに、心は…」とか力説するけど、でも、そういうんじゃないんですよ。それじゃ、会話も噛み合わないんですよ。なぜなら、煉獄の渦中ですから。そりゃぁ、「助けなんかいらないの」って念を押される訳です。かわいそうに。ざまみろ。
でも、本当、どうすんだよ?って感じですよね。
いよいよ蟹を食べますよ。
ここまで来ると、蟹が劇薬にも思えてきますね。
むしろ、蟹を食ったら死ねれば楽ですけどね。
後半、ついに蟹を食べますっ!!
■雪女と蟹を食う7巻 試し読みはこちら

シェアしてください。心から。。。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です